「治ったら」という言葉への違和感
夫に
「これしたら?あれしたら?」と提案すると、
「治ったらやるよ」 「いまは無理だよ」
「痛みがなくなったら」 「体調がよくなったら」 「強迫性障害がおちついたら…」 そんな言葉が返ってきていました。
最初の頃は、「うん、そーだね」と素直に思えていました。
きっとその日が来るのに、そんなに時間はかからないと思っていたんだと思います。
でも次第に、「いつだろう…?」という、なんとも言えないモヤモヤに変わっていきました。
怪我や風邪なら、「治ったら」という感覚はよくわかります。
でも、強迫性障害はどうなんだろう。
そもそも、妻である私は強迫性障害というものをちゃんと理解できていませんでした。
・本当に治るものなのか
・「落ち着く」とはどの程度なのか
当事者でないと分からないことばかりで、待っていても答えは見えません。
「とにかく夫にストレスはよくないから」と思いながらも、 気づけば妻のストレスはたまるばかりでした。
病院に行っても、大きく変わるわけではなく、また同じ言葉が繰り返される日々。
「治ったらやるよ」「いまは無理だよ」――
ゴールを変えてみては、という提案
あるとき、ふと思いました。
「そもそも“ゼロになる日”って来るの?」
体調が悪くても、私たちは日常をこなしている。
年齢を重ねれば、完全に不調がない状態に戻ることの方が難しい。
その気持ちを夫にも伝えました。
もちろん夫も、少しでも良くしたいと思っているのは同じです。
ただ、その気持ちがあってもどうにもできない状態が、 周りからは「怠けている」と見えてしまうこともある。
それはきっと、本人にとってとても辛いことです。
ただ、妻の言葉ではまだゴールは変わりませんでした
負のスパイラルの中で
当時の夫は、
体調不良→ ストレス増加→ 強迫観念が強くなる→ 強迫行為が止まらなくなる
→ さらにストレスが増える
その繰り返しという、負のスパイラルに入っていたそうです。
折り合いをつけていくということ
最近、主治医から夫にこんな言葉がありました
「体調はよくなることもあるけど、強迫性障害と痛みはしつこいものだからね」
その話を聞いて、私は少し安心しました。 ずっと妻が言い続けていた言葉を、信頼できる主治医から伝えられたことで夫に届いたのです
(だいたい妻の言っていることは正しいのですが😅) そしていつも「妻が1番信頼できる!」と言う割に妻の言うことを聞かないという… なかなか厄介な夫だったので、主治医からその話がされた瞬間とても嬉しかったのです 昔から、先生など権威ある人からの言葉はすんなり夫の耳に入っていくタイプなのです😅
「治す」ではなく、「折り合いをつけていく」
そう思えたことが、
夫にとっても大きな一歩だったのだと思います。
「治るのを待つ」から「付き合う」へ
そこから私たちは、
「症状がなくなるのを待つ」のではなく、 「症状がある中でどう過ごすか」を考えるようになりました。
・症状が出たとき、どう対応するか
・どうすれば日常の作業ができるか
・気持ちをどう持っていくか
2人で少しずつ話し合うようになりました。
「良くなった」と思っていたけれど
最近はとても元気に日常をこなしていたので、 てっきり症状は落ち着いたのだと思っていました。
でも実際は違いました。
主治医と相談し、薬を調整したことで 心身の不調が落ち着いたことが大きかったようです。
体調が安定したことで気持ちに余裕が生まれ、
症状が出ても――
・運動する
・料理をする
・お猫さんとじゃれあう
など、別のことに集中することでうまく付き合えるようになっていただけだったのです。
気づけなかったこと、そして今
正直、少し驚きました。
「良くなっている」と思い込んでいた自分に、少し反省もしました。
やっぱり、当事者でない妻はすべてを理解することはできていなかった。
夫は、見えないところでずっと頑張っていたんだと気づきました。
夫にとっての“ちょうどいい挑戦”
その中で、夫が見つけたのが「料理」でした。
理由はとてもシンプルで、
・家の中だから失敗しても大丈夫
・他人に迷惑をかけない
・自分のペースでできる
・レシピを見ながら集中できる
そしてもうひとつ。
「妻が喜ぶから」そう話してくれました。 その言葉がとても嬉しかったです
誰かの役に立てていると感じられることが、
夫にとって大きな支えになっているのだと思います。
少しずつ、確実に
ずっと同じことを伝えていたつもりでも、タイミングや体調、気持ちの余裕によって
受け取り方は変わるんだと実感しています。
だからこそ、少しずつ、少しずつ。
これからも
これからも、
お互いの体調や心の状態に目を向けながら、
無理せず、前向きに。
一歩ずつ進んでいけたらと思います。

今回のように「向き合い方」を変えてきた中で、少しずつ見えてきた変化があります。 ▶ 妻が心を保つために意識してきたことはこちら
▶ 小さな変化と積み重ねについてはこちら
同じように悩んでいる方の、少しでもヒントになれば嬉しいです。

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