強迫性障害と向き合う中で私たち夫婦が感じたのは、「病院へ行けばすぐによくなる」というものではない、ということでした。
夫は10年の間にいくつもの医療機関を受診しました。
その中で思うようにいかない経験もありましたが、振り返ると、その時間があったからこそ今の主治医との出会いにつながったように感じています。
この記事では、病院選びをすすめることが目的ではなく、私たち夫婦が実際に経験した転院の経過と、その中で感じたことをお伝えします。
夫が通院をやめるまで
夫が初めて心療内科を受診したのは、仕事に支障が出始めた頃でした。
確認作業の多い仕事だったため、不安が強くなるにつれて業務を続けることが難しくなっていったそうです。
最初の病院では仕事を続けながら治療を進める方針でしたが、症状は改善せず、その後も転院を経験しました。
中には受診を続けられなくなった病院もあり、その経験から夫は、
「もう病院へ行っても変わらない」
と感じるようになり、しばらく通院から離れていました。
結婚後、妻も何度か受診を勧めましたが、夫の気持ちは動きませんでした。
当時は、無理に説得するよりも、「また相談してみようと思える日が来るかもしれない」と考え、見守ることにしました。
もう一度、病院を探し始めた理由
数年が過ぎ、妻自身も仕事と家庭の両立で心身ともに余裕を失っていました。
職場へ相談した際に、心療内科の情報を教えていただき、
「もう一度だけ相談してみよう」
という気持ちになりました。
ところが、受診してみると、私が思い描いていた診療とは少し違いました。
夫が症状を一生懸命説明しても、診察時間は短く、毎回同じ説明を繰り返すこともありました。
もちろん、その先生の診療方針が悪いということではありません。
私たち夫婦には、その時の状況や気持ちと合わなかったのだと思います。
転院を重ねる中で感じたこと
その後も大きな病院へ通い、担当医が変わる経験もしました。
片道1時間以上かけて通院し、長い待ち時間のあとに短い診察。
薬の調整を続けながら過ごしていましたが、夫の体調は安定せず、不安が強くなる時期もありました。
「どこへ行けばいいのだろう」
そんな思いを抱えながら、情報を集め、また新しい医療機関を探しました。
当時は転院を繰り返すことに迷いもありました。
しかし今振り返ると、それは「どうにか今より良い状態になりたい」という家族としての願いだったのだと思います。
10年目に出会った主治医
転機になったのは、職場の方から紹介していただいた病院でした。
自宅から片道約2時間。
決して近い距離ではありませんでしたが、「一度相談してみよう」と受診しました。
診察では、夫の話を丁寧に聞きながら症状を整理し、薬についても一つひとつ説明してくださいました。
診察が終わったあと、夫と顔を見合わせ、
「ここなら安心して相談できるかもしれない」
そう感じたことを今でも覚えています。
通院後に見られた小さな変化
受診を続ける中で、夫の表情は少しずつ穏やかになっていきました。
薬の見直しだけでなく、生活についても一緒に考えていただき、夫自身が前向きに取り組めることが少しずつ増えていきました。
今振り返ると、以前の先生方が悪かったということではありません。
その時々で必要だった支え方や、夫の状態、タイミングが違っていたのだと思います。
病院探しを振り返って思うこと
「病院を転々とすること」は、
一般的にはあまり良くない印象を持たれるかもしれません。
妻自身も、最初はそう感じていました。
でも実際には――
それは「どうにかしたい」という必死な思いの積み重ねでした。
それでも続けた「探すこと」
病院選びに一つの正解はないと感じています。
だからこそ、「今の自分たちに合っているか」という視点も大切なのかもしれません。
私たち夫婦は10年間かけて、ようやく安心して相談できる主治医と出会うことができました。
もちろん、これはあくまで我が家の体験です。
同じ病気であっても、症状や治療の進み方は一人ひとり異なります。
それでも、もし今、病院との向き合い方に悩んでいる方がいたら、 「今は合わないと感じても、安心して相談できる場所に出会える可能性はある」 ということをお伝えしたいです。
この記事が、同じように悩むご家族にとって、小さな参考になれば嬉しく思います。
※この記事は、我が家の実体験をもとに書いています。 診断や治療については、専門の医療機関へご相談ください。
強迫性障害の夫と暮らす中での考え方はこちら →強迫性障害の夫と暮らして10年|妻が心を保つために続けてきたこと
同じように悩んでいる方の、少しでもヒントになれば嬉しいです。

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